シネマカートが完成しました。:動作検証中です。
こちらは、FLUID ENGINE2(弊社特製のワークステーション)を搭載しています。モニタは4K(UHD)の解像度で、メインで使用する編集ソフトウエアはDaVinci Resolve12、Assimilate Scratchを想定しています。(レンタル時にソフトウエアは含まれません。)高速グレーディング処理では、電圧を上げオーバークロックされた6コアCPUと、電力消費の高いGPUを使うので、電気の消費量があがります。オンセットでも使用するので、その辺(機器の冷却方法とバッテリーの持ち時間)を気にしながら検証をすすめています。DeckLinkカードも4Kにしていますので、外部に編集中の4K-SDI信号を出すこともできます。撮影後、即オンライン編集することで大幅なコストカットが期待できます。






オンセットルックカート:
編集用シネマカートを作りながら、機材がカートに入りきらないことに気づきました。そこでライブグレード(カメラから出力されたLOG映像にLUTで色をつける作業)用にシステムを分けたほうがいいと思いまして、サイズを小さくして2台目のカートを作ることになりましたこちらは、4Kではなく3G-SDIのハイビジョンシステムになります。LOG収録(S-LOG,C-LOGなど)で仕上がり映像をプレビューします。メインモニタはPanasonic BT-L2150を使用しています。ソフトウエアをコントロールしてライブでルックアップテーブルを作り、オンセット(撮影現場)で見てください。UPSから給電されるので、コンセントは使用していません。LUTを作るだけですのでパワーのあまりないMac miniを使用しております。メインのモニタはM
acでLUTを作ったらSDI入力に切り替えて使用します。ここではPomfortのLive Gradeというソフトウエアを使用していますが、デモ版での評価中です。HDLinkにファイルを読み込まずにそのままルックを変えることができるので、便利だと思いました。もちろん、いろいろな種類のLUTも書き出し保存が可能です。Tangent WaveでもLive Grade用のメニューになり、ホイール操作以外にも便利です。HDLinkは単体ですと基本機能のソフトウエアしかないのでLive Gradeとの組み合わせは即座にLUTを作るのに有効です。Fiji FIlmのIS-miniに関しては、単体でもソフトウエアが充実しているほかに数多くのフィルムプリセットがあります。Tangent Waveにも対応しています。またカメラごとのLOGカーブを使えるので、異種カメラでのマルチカメラ撮影でも正確なルックをつくることができます。今回は、Resolve Liveでルックを作りUSBでHDLinkにLUTを送り込む方法で考えております。


オンセットルックカートの使用例:
Pomfort Live Gradeで作ったLUTをAssimilate Scratchで読み込む。(YouTube動画


HDMI4Kの4Kプレビューテスト:
UPS(無停電装置)を消音モードでバッテリーの代わりに使用しています。ACを使わないでも2時間弱ぐらいは使用できます。残りの時間は表示されます。とりえず試しにと思いましたが、なんなく使えたのでびっくりしました。4K(UHD)も極細なHDMIケーブル1本で確認できるので便利だと思いました。この後は、SDカードをカメラから抜いて、Work Stationで作業を実施してゆこうと思います。グレーディング、編集作業に関してはSDIのベースバンドでやろうと思います。続く、、。



3台目は木材をベニヤからウオールナットに変更:
2台目まではベニヤを黒く塗っていたのですが、室内用のカートも作り始めました。ナチュラルウッドで再度トライしようと思います。



カートのメリットは?:
ポストプロダクションの設備は、業務用のラックを複数立て、ストレージなどをマウントし、複雑なワイヤリングを施し、ネットワークを結ぶことで堅牢なシステムを作ることにあります。この設備は、当然スタジオの建物から気軽に持ち出すことはできません。データをその場所に集めてからまとめて作業をすることになります。少しでも前倒しに作業をしようとする場合でも撮影現場ではノートブックを使用するケースが現状ではほとんどです。大量のデータハンドリングが必要な4K制作を考えた場合には、いかに高速なワークステーションを移動できるようにするかが鍵になります。そうすれば、スタジオ設備にすべてをまかせないワークフローが生まれます。カートを使わないときは、機材を収めて、部屋の角に置いておけば、場所をとらずにすみます。必要な時だけ、取り出して作業ができるのがメリットです。

カート制作で一体いくらぐらい費用がかかったか?:
市販の映像向けのカートはかなり高額です。本体価格でおおよそ3,000ドルで海外から送ってもらうと400ドルぐらいの送料もかかります。(参考:B&H )また、輸入時には消費税もかかりますので、総額で45万円ぐらいかかります。そこで、''とりあえず、カートを自作をしてみよう!''ということでホームセンターに何度か通って木材加工をしてもらいました。豊洲のホームセンターと、東急ハンズ、通販などです。木材の加工には、カットの種類により価格が異なります。また、カット作業が立て込んでいるときはそれなりに時間もかかります。カートを完成するまでの金額は、キャスターで1万、ベニヤで2万(加工費込)、ペイントで4千円、コネクタで6千円、ネジと金具で1万円ぐらいです。合計で5万円ぐらいといったところです。作りたいサイズや仕上げ、材質によって値段は変わります今回の感想としては、思っていたより自作は結構大変だと思いました。板の取り付けなどは2人で組み立てないとできないと思います。しかし、既製品ではない大きさなどで作りたい場合や三脚カートや、グリップ用などいろんなカードを作りたい場合にも応用が効くのでやってみる事はいいと思いました。また、自作のいい点として、壊れたり追加の機材があった場合にも、部分部分での修理や改修が簡単にできますので、末長く使うことができると思います。法人の場合には、大きく会社のロゴなどを入れると管理もしやすいと思います。




想定しているカートの使い方:
''撮影時のクオリティチェック(DIT)と簡易ポスプロ(Digital Dairies and DI and POST)として使う''
カメラのファイルベース化がすすみ、取り込み作業などもデータコピーになりました。これにより、高速なノートブックやiMacを使い、メディアリーダーを用意するだけでフルハイビジョンのノンリニア編集はできるようになりました。しかし、4K解像度、RAWなどのダイナミックレンジの広いフィルム画質になると取り扱いがかなり大変になり、DIT、ポストプロダクションと連携して作業をすすめることになります。後処理では、収録メディアを手渡したところから作業をはじめると時間もかかります。そこで、ポストプロダクションでの時間をなるべく短縮することが重要となります。撮影の段階で、ルックを決めて、撮影中も最終クオリティをチェックできる環境を整え、バックアップを高速に行い、複製されたデータで仮編集も実施します。そうすることにより、プロダクションへの負担を軽減することができ、制作にかかる時間は短縮されるはずです。



制作の現場で誰が使用するのか?:
いろいろなケースがあると思います。VFXの担当者が、トラッキングがしっかりとされているかの確認やキーイングの最終確認、肌補正のプレビュー作業をしたり、またエディターが編集したりなどオンライン用のサブシステムとして使用してもかまわないと思います。基本的にはデータ整理のためのカート、撮影での補助的役割で想定しています。撮影部で手の空いている人がやることも想定しています。だれでも、特別なスキルがなくても気軽に必要な部分だけを理解して使うことができます。


補足:上の図は一般的な考え方です。尺が短いコンテンツ制作では、手間がかかっても高画質な手法(DNG RAWなどの静止画の連番)を選択することがいいと思います。撮影が何日、何週間、何ヶ月にもおよぶ映画などの長尺作品では、カット数やデータの予想量を計算してから、プロジェクトをすすめる必要があります。バックアップやDIを含めると、100テラバイト以上ストレージが必要な時もあるかもしれません、、。カメラメーカーは、このバランス(圧縮かRAWか)を考えていろいろなカムコーダーや拡張ユニットを販売しています。どのタイプのカメラがプロジェクトに適切かを判断することが重要となります。カメラで記録するデータの種類を決めると、ワークフロー、かかる時間、必要な予算はこの時点でほぼ決定します。カメラの種類、何で収録するか?によって、ワークフローそのもの、制作予算は大きく変わるといえます。


カラーグレーディングが本当に必要かを考える?:
映画では、ストーリーに合わせてカットごとに色を変えて演出をすることが基本です。この特別な作業ができる人をカラリストと呼びますいます。カラリストは、明確なセオリー、スキルが必要となる専門職です。映画の様々なカットをグレーディングするには、その分の時間も予算もかなりかかることになります。古い話になりますが、DVカメラ(ビデオ)で映画っぽい映像を撮るために、フィルムルックというカメラのモードで映画っぽい色を作ることが一般的でした。最近では、フラットでグレーっぽいなLOG収録できるカメラが主流になり、逆にカラーグレーディングは、後処理として必要な作業になっています。


FUJI FILM(参考):LOGとLUTの基礎講座
pdfの資料。カメラごとのLOGの種類、違いなどとても参考になります。
displaycalibrations.com(参考):LUT BOX比較表



使い方:DaVinci Resolveの機能のResolve Liveを起動しているところです。入出力にはDeckLink 4K SDIを使用しています。SDI入力が確認できたところでTangentコントローラを使い、ホイールなどを動かします。ここでSDI出力は、ライブで色が変化します。ソフトウエアで表示される波形を見ながらの作業をし、スチルにてLUTを保存します。その後、LUTを左クリックで書き出します。そのLUTは、HDLinkに埋め込むことで、PCの電源を落としても、LUTを使うことができます。DaVinciでグレーディングを実施する場合には、Resolve Liveを立ち上げた状態でLUT-BOXを使用しないで運用することもできます。








カート内容:
1.PC:FLUID ENGINE2(Windows Based Custom PC)
2.キーボード:Logic Keyboard for DaVinci Resolve 12
3.コントローラ:Tangent Device Wave
4: モニタ(SDI):Atomos Samurai Blade とカリブレーション用Spyder
5: GUIモニタ:DELL UHDモニタ
6: マウス:Kensignton SlimBlade
7. 6G SDI I/O (PCIe): Blackmagic Design DeckLink SDI 4K
8. LUT BOX: Blackmagic Design HDLink(DVI)
9. Light: Logic Light v2(USB)
10. 無停電装置:Cyber Power
11.カラーチェッカー:x-riteカラーチェッカークラッシック、パスポートの2種


メモ:カラーチャートは2種類搭載しています。DaVinci Resolveでのカラーコレクションに便利です。難しいLOG収録もこれで安心です。
使い方の例としては、シーンごとにカラーチャートを使用して、収録データ(映像)に記録する。PC側で、DaVinci Resolveを起動して、カラーチャートをカラーマッチで選択する。S-LogなどのLogデータを一度Rec709にする。この時点でシーンごとに色味が正しい色に統一される。次にカラーグレーディングを行いノードを作る。必要なカットに作った順次にノードをあてる。





コネクタパネル:
DITカーでは、目的によって3G-SDIのケーブルを抜き差しするので、いろんな機材(モニタとか、SDI ioの機材)を痛めてしまうことがあります。そこで、カナレのコネクタを使って入出力の接続を固定することで回避します。コネクタが壊れた場合には、コネクタを交換するだけですみます。カートに穴を開けて、何個も埋め込む作業をこれからやりたいと思います。


ポイント:
現在、4KはHDMI接続か、3G-SDIを4本使用するか、6Gか12Gなどの新しい規格を使うかにわかれています。Blackmagic Design社のURSA miniや、Terranex製品などは12Gを採用しています。国内メーカーでは、3Gを4本使用することが多いと思います。




いろいろな利用方法:撮影データ管理と上映システム。すこし、極端に思われるかもしれませんが、撮影終了後、収録メディアを持ち帰り、自宅でカラコレ、編集、そのまま、4KHDMIプロジェクタなどで上映まですることが可能です。トランスコードなどの手間もはぶけるのと、RAWデータをそのまま上映することで、撮影してすぐの試写会、時間がないプロジェクト、イベントでは便利です。






メモ:LUTの種類
.3dl(Autodesk Inferno).cms(Nucoda),.a3d(Panavision),.cps(Cinespace),.cube(Iridas,Davinci),
icc(S-RGB Based Profile),.vf(Nuke Based Profile)




NoFilm _Schoolの記事:Will Post Houses and DITs Be Extinct by 2017?
メモ:なかなかもどかしい感じですが、"The DIT Dilemma"の解説。今回のカートも正直なところこの内容が本当なのかを検証しようと思いスタートしています。(注意:2013年に書かれています。)

NoFilm _Schoolの記事:Quentin Tarantino Says Digital Projection is the 'Death of Cinema As I Know It'
メモ:デジタルになって果たしてシネマは死んだのでしょうか?こちらもジレンマのようです。
Abel CineのDIT カート(参考):The Anatomy of a DIT Cart
Abel Cineとは有名な米国のシネマカメラのレンタル会社。専門家がDITカートを解説しています。

ditworld(参考):スペインにあるDITカートの会社
pdfの資料があるのでわかりやすい。
Jesse Borkowski (参考):DaVinci Resolve 9.1 - How to Use cinemaDNG with ACES Color Space - Blackmagic Camera, Ikonoskop
Jesse Borkowski 氏によるACESカラースペースの解説。Resolve 12では、ACES1.0をサポート。

Creative COW(参考):DIT Tells All
TV,CM,映画など数々の仕事をこなしてきたベテラン、Von Thomas氏のDITに関する投稿。DITの現場をわかりやすく解説しています。普段使いの(RED用)DITカートの例ですね。コーヒーメーカー付き。機材は、数年前の為、古いものが多いのでご注意ください。

Matthew Scott(参考):Sony F55 & Cooke Anamorphic
Matthew Scott(参考):DaVinci Resolve Lite TUTORIAL - Qualifiers, Power Windows and Balancing Basics
Matthew Scott氏によるイメージプロセッシングのチュートリアル。

Phil Holland(参考):It's Just Paint - shot on Red Dragon
Phil Holland氏によるYouTubeでの4Kコンテンツの一例。

SONYテクニカルナレッジ:SONYカメラでのS-Logワークフロー
Small HD社(参考):DP7-PRO User-loadable Looks (3D LUT) Demonstration
DaVinci Resolveで作ったLUTをSDカードで同社のフィールドモニタに移植する方法。

4K Shooters:How Much Hard Disk Space Do You Need If You Shoot In 4K?