シンプルに考える:

デジタル映像制作=データ生成作業:
約20年前から、映像制作環境はフィルム、VTRなどのアナログ時代から徐々にデジタル化へとすすみはじめました。その流れは、年々加速し、デジタル記録のテープを経て、いまやファイルベースへと変化しました。ファイルベースでは、いつでも、どこでもメディアリーダーさえあれば編集が可能となります。このような状況では、撮影後すぐにファイルを取り出し、現像、編集などのデータ処理をしてゆくことが時間の短縮には効果的です。無駄な制作時間を減らし、人件費(拘束時間)を減らし、編集作業を前倒しで行うことで全体的な制作予算を大幅に削減することが可能になってきています。4K撮影がスタンダードの現在、ハードウエアスペックを含め、全体的なワークフローをすべて見直しする必要があります。





参考:キヤノン社EOS C500 4Kチュートリアル: Chapter 07
デジタル現像用のツールDaVinci ResolveとPremiere Pro CC 2014の操作方法を紹介。

参考:RED社WORKFLOW:チュートリアル
EPIC BMW Behind the Scenes - Workflowでは、CM撮影でのデイリーワークの現場を知ることができます。

参考:NVIDIA社 :GPUで加速化したコンピューティングとは?
年々増加するGPU対応のアプリケーション。カタログ内にある10-12Pには映像系のソフトが並ぶ。Multi-GPUでYesとなっている場合には、複数のグラフィックスカードで演算が加速する。この場合の複数とは、GeForceのSLI(2Wayとか3Wayとか)ということではなく、Quadro以上のプロ市場向けのカードで並列処理ができるという意味です。

参考:Jesse Borkowski :DaVinci Resolve 9.1 - How to Use cinemaDNG with ACES Color Space - Blackmagic Camera, Ikonoskop

参考:Abel Cine 社 -Why Shoot In LOG?

参考:James Whiffin -Which video file formats are best for what?
メモ:ロスレス、ロッシーのデータ比較の図など参考になります。





では、コンピュータの処理を上げるにはどうしたらよいか?:

コンピュータの性能を上げるには、全体的なバランスが重要です。どこか一つのパーツの処理が遅い場合には、そのパーツがボトルネック(足かせ)になり処理の待ち時間が発生します。

CPUの処理能力はクロック周波数の数値が高ければ高いほど処理は高速です。CPUコア数も多ければ多いほど、たくさんの指令を並列で処理することができるので高速になります。GPUでは、コア数(CUDAコア、SP数)も多ければ多いほど高速となります。近年では、GPU Computingやヘテロジーニアスマルチコア(異種DSPによる複合計算)と呼ばれるように、CPUだけに演算をさせるのではなく、グラフィックスカードのGPUも同時に利用することが増えています。これにより、一つの部品の計算能力に依存(この場合CPU)するのではなく、特定の処理に対しは異なるDSP(この場合GPU)で計算することにより、大幅に処理速度を向上させることができます。

データの流れとしては、アプリケーションが起動すると、メモリへ使用領域の展開をします(変動値)、その後SSDから素材ファイルデータを読み出しながらを加工をします、編集時のタイムラインではCPUとGPUで連続して計算をしプレビューを実施、トリミング、エフェクトを施し、書き出しをするという流れです。最も重要なポイントは、作業中にデータが詰まったり(処理速度の速い部品が、処理速度の遅い部品のスピードに引っ張られて、性能を発揮していない状態)しないことです。つまり、バランスよく全体のスピード(図での黄色の部分)を上げるようにしないといけません。グラフィックスのビデオメモリは足りているか?、システムメモリは充分か?、ストレージは高速か?、GPUコアは充分か?、CPUの熱管理は大丈夫か?、PCI-eのバススピードは充分か?などなど作業ごとにごこかでデータの待ち時間がないかを常に見直しをすることが大事です。



以下主要メーカーの構成ガイドのリンクとなります。

Adobe Premiere Pro :必要システム構成
Blackmagic DacVinci Resolve:サポートノート
Blackmagic Fusion
:ユーザーノート参照




















冷却性と静音性について:
CPUクーラーは4コア以上のCPUを使用する場合には水冷がおすすめです。ただし、クーラー部品に同梱されているファンは、メーカーの別売のファンよりもうるさい場合が多いです。静音を追求する場合、付属の120mmファンも静音タイプに交換しておいたほうがいいでしょう。ノイズの目安としては、20デシベルぐらいであれば、マシンから聞こえてくるファンの音はほとんど気になりません。




高速ストレージの作り方:Windowsでボリュームを作ります。SATA6で接続した一般的なSSDを2枚使用して、ストライピングでディスク作成します。BlackmagicのSpeed Testで計測をします。スピードはSSDの種類に依存しますが、この場合には、読み900MB/S,書き込み490MB/Sになります。このようにしてSSDを複数の枚数で構築してゆきます。この場合には256GBのSSDを2枚使用しています。実際の出荷時には、書き込みスピードは700MBになる予定です。PCI-Expressに差し込むタイプのSSDストレージもありますが、コスト面、容量面などを考えると汎用の2.5インチSSDをSATA6で接続する方法で充分ではないでしょうか?


Blackmagic Production Camera 4KのCompressed RAWに関して:
カメラのファームウエアを2.1にするといままでのRAWではなく、圧縮RAWに収録データが変わります。圧縮RAWでは、再生時GPUの負荷が上がるようです。GTX970で99%の使用率となります。これは、DebayerをGPUで行っていると思われます。この状態では、GPUのコアをもっと増やすことが必要になります。ご参考まで。




メモリはどのぐらい必要か?:
16GB程度が目安になると思います。4スロット搭載のマザーで8GBx2枚で空きスロットを作っておけば、いざ足りないときにも増設が可能です。DDR4を使用する場合には、4枚で一セットということになりますが、1枚や2枚、3枚でも動作は可能です。REDCINE-Xなどメモリを多く使うソフトウエアでは、32GBが目安になります。DaVinci Resolveでの作業の場合には16GBで大丈夫だと思います。


CPUとグラフィックスカードの関係:
PCIeレーン数がCPUのタイプによって異なっております。グラフィックスカードは16レーン使用します。2枚使用する場合には32レーンを割り当てられるのが理想的です。CPUで32レーンが確保できない場合にはグラフィックカードは8レーンで動作します。複数のGPUには40レーンの帯域の確保が理想的です。
参考サイトへのリンク:
「Core i7-5960X」で8コア16スレッド対応“Haswell-E”の実力を試す(ITMedia)

オーバークロックに関して:
CPUに対してVoltageを上げると高い周波数で動作します。これがオーバークロックといわれています。設定の方法はMotherboardのユーティリティで実施します。オーバークロックしているCPUはより発熱しますので、CPUクーラーも水冷にするのが一般的です。水冷クーラーにもともとついているファンもうるさい場合にはサードパーティ製にとりかえます。冷却性能をあげながら静音性を保つのによく使われている手法です。

SSDは低価格化、大容量化がすすんでいます。256GBで15,000円程度のものが市場では売れ筋です。960GBのSanDiskのUltra2は45,000円程度となります。SATA 6Gbに対応していて、読み出し550MB/秒、書き込み500MB/秒となります。3DNANDの開発により、今後、SSDは容量が大幅に増えてゆきます。(最大10TB)


マザーボードは、回路の集まりです。CPUをのせ、クーラーを取り付け、グラフィックスカードを挿入します。SATA6やM.2コネクタにストレージを追加したりします。回路の耐久性などが重要になります。NVIDIAではSLIと呼ばれるグラフィックカードのブリッジ機能がありあますが2複数のカードを挿入する場合にはスペースなども重要になります。また、CPUにより使用できるレーン(帯域)がことなりますので、グラフィックカードを複数(16レーンを2枚など)使用しながらIOカードを使用する場合にはマニュアルにてバイオスの設定が必要になります。DaVinci ResolveではSLIサポートはしていないようです。



グラフィックカードにはGPUが搭載されており、演算の補助的な機能を果たしますをします。ただし、GPUをどのくらい使用するか?のはソフトウエアの設計に依存します。メモリ容量は、ビデオメモリになりますが、これは4K現像では3-4G程度必要とします。DaVinci Resolveでは、Noise ReductionなどのイメージプロセッシングはGPUで処理します。複雑なノードを使用する場合には、GPUをより多く搭載する必要があります。ギャラリーのノードを使う場合はGTX970や980でも良い場合(リアルタイム再生が可能)も多いです。





グラフィックスカードの選び方:
ゲーム用のGeForceシリーズでも、AdobeやDaVinci Resolveでも使用することは可能です。ただし、SLIというブリッジ(連結)にして使用することはサポートしていないようです。海外のシステムベンダーでは、GUI用のグラフィックスをQuadro K4200にし、Image Processing用GPUをGeForceにしている場合が多いです。(計2枚)

新製品情報: NVIDIA TITAN X
12GBのグラフィックスメモリと3,072のCUDA Coreを搭載。
384-Bitのメモリバス。価格は999ドル。消費電力は250Wとなる。
新製品情報: NVIDIA Quadro M6000
Quadro新シリーズ。12GBのグラフィックスメモリと3,072のCUDA Coreを搭載。
384-Bitのメモリバス。価格は5,000ドル。消費電力は250Wとなる。
QuadroシリーズとGeForceとの違いは?:
Quadroはプロフェッショナル(ソフトウエアメーカーの認定推奨)、GeForceはゲーム用とされています。Quadoroは、10ビット出力が可能、(GeForceは8ビット)Multi-GPUテクノロジーをサポートしています。Quadroは、NVIDIA社の設計した状態で市販をされるため、ベンダーによるカスタマイズがない。





80 PLUSという電力変換効率の審査基準があります。ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタンに段階が分かれています。Corei7のHaswellのエコモード対応の有無もありますのでそこも確認が必要です。全てのパーツはこの電源ユニットから電気が供給されますので、構成パーツの必要電源量を足し算して何ワットの電源が必要かを決定します。ハイスペックの場合、1000W以上と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、シングルCPUであることと、グラフィックスも効率性が増していますので、750Wぐらいで充分ではないかと考えております。参考までに、MacProの最大電力消費量は450Wです。OCでは、CPU電力が定格以上かかりますが、MAX状態でも約2倍ぐらいとなります。


1. DaVinci Resolve 11にて、一部サードパーティOpen FXプラグインにてグラフィックスメモリ不足のエラーが発生。Windows 8.1で起きている問題と思います。Windows 7では起きておりませんでした。(調査中)
2. REDCINE PLAYER(64Bit)にて.r3dファイルを再生する場合、システムメモリの充分な読み込みができない。Preferenceで設定を開きOKボタンを押すと解放する。(調査中)
*今のところ、DaVinci Resolve 11単体での動作は問題ないです。
3. Windows 8.1でApple PRORESファイルがQuickTime Playerで開かない。デコードエラー。(調査中-QuickTime Updateで解決)
*ご質問で、最新のDaVinci ResolveでApple PRORESへの変換ができるか?というお問い合わせがございましたが、こちらは未対応となります。Fluid Engine2はWindowsシステムですので、Macベースのシステムとは、違いがああります。Avid用DNxHDおよびDNxHRには書き出し対応をしています。